日本物流団体連合会(工藤泰三会長=日本郵船会長)は26日、物流を通じて環境保全に寄与した団体や個人を毎年表彰する物流環境大賞に日本気象協会、ネスレ日本、川崎近海汽船の3社を選んだと発表した。3社は共同で気象情報を積極活用した物流の効率化による二酸化炭素(CO2)の排出削減に乗り出した。内航コンテナ船「なとり」の運航する井本商運(神戸市中央区)が技術開発賞を受賞した。

  ネスレは2015年から姫路工場(姫路市)や霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)などから遠い北海道や九州向けに、内航船を使った出荷を増やした。船舶での運搬はトラック輸送に比べ、CO2排出量を6分の1に抑えられる。船舶での輸送を増やすと、輸送計画を立てる際に気象情報の重要性が高まり、ネスレは気象協会、川崎近海汽船と連携することで合意したと15年12月に発表していた。

 次席に相当する物流環境保全活動賞には、センコーとヤマト運輸を選定した。センコーは九州の酒造会社各社それぞれ独自に出荷していた商品を混載集荷したうえで、鉄道輸送することで物流効率を向上した点を評価。ヤマト運輸は自治体やバス会社と連携し、路線バスに宅急便を積載して輸送する「客貨混載」を岩手県・宮崎県の一部地域で開始したことが選定につながった。

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 技術開発賞には井本商運を選んだ。同社は15年12月に新造船「なとり」(写真=井本商運の発表資料より)の運航を開始。コンテナ船としては世界 で初めて球状船首を採用。風圧抵抗を従来に比べ約3割抑えることができた。このほか、さまざまな新技術で従来のコンテナ船と比べて大幅に燃費を改善した点 などを評価したという。

  このほかオーシャントランス(東京都中央区)、日東電工とグループ会社の日東ロジコム、日本郵船など3社と、合計4案件が技術開発賞を受賞。今回から新設した日本物流記者会賞には濃飛倉庫運輸(岐阜市)としまむら、日本フレートライナー(東京都千代田区)、日本高速輸送(東京都品川区)の4社が共同で取り組んだ海上コンテナの国内転用などに取り組んだ案件に注目した。

 

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